家づくりQ&A 第133回です。 伝統的な屋根瓦というと、黒みがかったシルバー色が一般的だと思われるかもしれませんが、それだけではありません。 例えば、石見国で作られた「石州瓦」は茶褐色で鈍い光沢があります。これは冬期に浸透した水分が凍って瓦が割れてしまうのを防ぐため、「来待釉」という釉薬をかけて焼かれたためです。この赤い瓦屋根は山陰から中国地方でよく見かけます。 量産性の点や多彩な色調の管理が容易な点などから、現在では「石州瓦」をはじめとする釉薬瓦が、瓦の生産量全体の約8割近くを占めるまでになっています。 一方で、前述の黒みがかったシルバー色の瓦は、焼成の過程で炭素を表面に付着させたもので、「いぶし瓦」といわれます。新品のときは一様な黒銀色ですが、時間の経過とともに黒から銀色への色調変化が現れ、独特の表情を持つようになるのが特徴です。代表的なものは淡路島で作られる「淡路瓦」です。 参考文献: 屋根の日本史 中公新書 和瓦のはなし 鹿島出版会 瓦―日本の街並みをつくるもの INAX フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 釉薬瓦
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