家づくりQ&A 136回
今回も、自宅退避の暇つぶしの手助けになるような本を紹介します。
旅はゲストルーム 浦 一也著 光文社知恵の森文庫
著者が泊まり歩いた国内外の一流ホテルを巡る旅のエッセイ集です。 興味深い点は、間取りや、室内のちょっとした工夫、特徴的な構造などを実測のスケッチとともに設計者ならではの視点から、書き綴っていることでしょう。 もとはといえば、スケール感を得るための修行として行ったホテルの実測スケッチですが、次第に「趣味、遊び、習慣、悪癖の類」となってやめられなくなったようです。 また、新婚旅行の際にもメジャーを持ってごそごそした話や、バザールでの怪しい客引きとのエピソードにも笑みがこぼれます。 とにかく文章は軽妙洒脱で読みやすく、美大出身ならではのスケッチも美しくて見ごたえがあります。 旅が好き、建築が好きといった御仁にはたまらない一冊だと思います。
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